象牙取扱業者の登録制度化

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象牙取扱業者の登録制度化

通商産業省は、平成五年三月に象牙を扱う業者を前面登録させることを打ち出したのである。
一九九四年(平成六年)九月に開催予定のワシントン条約締結国会議(ワシントン)に先立ち、象牙貿易の再開を求めるために、密輸入防止対策として象牙の加工、販売業者の登録制殿導入をわが国の報告書の骨子としてまとめたようである。
象牙の国内在庫も減り、加工業者が事業を継続することが不可能のため、国際取引を再開しようとするもので、業者に取引先や、加工・販売の量の届出を義務付けるなど、国内流通を把握し、密猟・密輸入が日本に出回らない管理体制をつくり貿易再開に反対する欧米諸国や、自然保護団体の理解を求める考えである。
国は、締結国会議において再開が認められれば、必要な法案を次期国会に提出する方針であった。その報告書は、通産省の認可団体の日本象牙美術工芸組合連合会に設けられている委員会で検討され、通産、外務の両省と環境庁が参画してこれらを調製した。
登録制度は現在把握できていないが、これは国内の流通を管理するのが目的であり、具体的には象牙の加工・販売する国内業者のすべてが登録することを義務付けられ、印章関係全体、個人の取扱業者が対象になった。また、材料・製品の入手先と販売先へのルートの記録も義務付けられることになるという。
象牙の国際取引が再開されると、アフリカ象の乱獲や密猟につながるとの懸念が欧米諸国や自然保護団体の間には根強く、印鑑の原材料などで市場規模の大きい日本への批判がさいど高まる可能性もでてくる。
通産省では輸入管理はもとより、国内市場の監視を重要視する法制化に踏み切ることであろう。

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