印の発祥

目次へ戻る

次のページ>

印の発祥

印の発祥は通説ではメソポタミア地方で、紀元前七千年以前に発祥したといわれ、これが現在では最も古い伝承とされている。
もちろんハンコといっても土器使用の民族が自己の所有物の証であることを表現するための印(しるし)としたもので、筋模様が主であり、皿または種種の土器にシルシ「印」をつけて所有を明らかにしたことである。すなわちこの「印」(シルシ)がハンコの初めといわれている。
ハンコの制度は東洋的であり、中国が発祥の地と思われがちであるが、実は西洋から伝わってきた制度である。『旧約聖書』の中にも実印及び認印の制度のくだりが40ヵ所ほどに散見できると内藤香石は語っている。
シルクロードを経てローマより、新彌ウイグル地方を通り、中国の西城に至り「古代の東西文化の交通路」中国に入り象形文字として伝えられている。太陽、月、鳥、魚などの形で表現しているのであるが、これが中国の最初の文字であり、甲骨文字といい、亀の甲や骨片等に彫刻されて表現されたのであるが、これが最も古い彫刻品であり、彫刻技術の発祥であるといわれている。
ハンコとして実際に使用されたのは封印である。尊い物(宝物、酒類)を入れた壺などを紐状のもので口を閉じ、その結び目を粘土で包みその粘土へ何か識(しるし)のために形押しし、開封を禁じたのが押印で、ハンコの始まりといわれている。
ハンコの発祥に関連して、紙にふれてみたい。紙のない時代はパピルスという蘆(あし)の葉を編んで紙状にして使用したという。エジプトほか砂漠地帯の多い地方には粘土がないので、ローと松脂(まつやに)を混ぜてパピルスに塗って張り、その上から形を押して後に熱を加えるとローが解けて松脂の形が残る。これを捺印といったのである。
古い時代の「ハンコ」は文盲の国の人々が事物をシルシとして表現しようとした習慣が形として残されたものと考えられる。
現在の紙は、中国の「後漢時代」に発明されたといわれている。今から約二千三百年前のことである。その後紙が発明されてから書物へのハンコを捺印する習慣が現れ現在に至るのである。
中国の古代王朝漢の時代前漢が倒れて王莽の時代を経て後漢となるが、この時代に紙が日本へ渡ったものといわれている。

目次へ戻る

次のページ>